少年法改正へ(傍聴可能)

少年法が改正されようとしています。
少年審判において、被害者や遺族の傍聴を可能とするものです。
この問題は、少年の更生を重視するか、被害者の少年の審判における態度を傍聴したい気持ちを重視するのか、そのどちらを重視すべきかに帰します。

これまで、少年審判は非公開でした。
弁護士が特にお願いして、学校の先生とか、少年側の監督可能な人など、同席させることがありました。

 少年審判は、罰することが目的ではなく、少年の全人格を把握し、少年が更生するためにどの手段が妥当であるかを中心に行われてきました。
少年が審判廷で真実を語ることを重視してきました。
よりつきつめるならば、少年の心の中の暗い部分を少年に語らせることに意義がありました。

 しかしながら、もし、審判に被害者が同席しているならば、少年にそのようなことを語らせることが困難になると思います。
むしろ、大人のまねをして、形式的な謝罪を繰り返すだけになりはしないか、とても心配です。

 少年法は、通常の考えとは全く発想が異なり、少年を丸ごと受け止め、少年に適した処遇を関係者みんなで検討するものです。
鑑別所の技官、調査官、裁判官。

少年事件を担当するとき、私はどうしても少年の事件が少年だけの責任とは思えないことが度々あります。
少年は、社会の様々な環境の中で生活しており、いわば、社会の鏡であるとも考えられます。
少年問題は、少年、家庭、社会、さらには国も含めて、全ての関係者が、少年の福祉のために何が出来るのか考えなければならないと思っております。

 今回の少年法改正は、少年が更生する機会を妨げないのか、危惧があります。
少年が、損得で動き、自分の心から発しない謝罪を強制されるのではないかなどの点について、心配があるからです。

2008年6月 3日小山 香