ますます拡大する官製ワーキングプア

ワーキングプアは自治体でも起きているのです。


地方公共団体の正規職員の採用は、厳格な競争試験に基づき、能力の実証の上、任用という行政行為によってなされます。
つまり行政の職務を遂行するにふさわしい能力あるひとを試験を通して採用するのです。
したがって、非正規すなわち臨時の職員は、緊急もしくは、臨時のものということであるので、厳格な任用手続を経ないで採用されます。この臨時の職員は、法の建前は期限6カ月未満の臨時職であります。1回だけしか更新できないことになっているので、任用期間の最長は1年未満になります。

したがって本来、臨時職員は、文字通り臨時である筈であります。

しかしながら、現実の自治体の職務は、臨時職員を必要としており、更新を繰り返します。

自治体が臨時職員を必要とする理由は、雇用調整が容易であることのみならず、賃金が安いからです。

正規職員は、法律で生活保障給とされています(地方自治法204条)。

これに対し、臨時職員の賃金等は、生活保障を考慮しない「報酬」であります。いわば日当みたいなものです。(地方自治法203条4項)

ところで、それではかわいそうだと条例によって、少しの一時金の支払い等をすると、総務省は、横やりを入れ、臨時職だから一時金の支給はできないとして支給しないように行政指導をするのです。

さらに近時の行政改革は、さらなる非正規職員を蔓延させるのです。

総務省は、自治体に対し公務員の定員管理適正化を強く課し、自治体の職員数の削減を求めているのです。そして自治体の業務について民間委託、さらには委託の類似の指定管理者の制度を推奨するのです。

このように、定員管理適正化の強要により、従前の正規職員が行っていた業務を臨時職員に行わせるとか、民間委託や指定管理者によって民間事業者への委託に拍車をかけるのです。

また、正規職員から非正規職員へのシフトは、自治体会計からも歓迎されるのです。非正規職員の賃金は、会計上、人件費に計上されず、物件費とされ、外形的には、自治体の人権費率は減少し「健全な自治体」と仮装できるからです。
なお、非正規職員として派遣社員を受け入れている場合にはさらに問題が発生します。

 

 

まず、地方公務員と民間人が職場に混在することになるのです。
地方公務員の職務は秘密保持とか、汚職とか刑罰はともないますが、
民間人の派遣社員にはありません。
さらに派遣社員1年勤務すると派遣法により自治体は直接雇用する義務が
発生するのです。

派遣を受け入れるとて1年後に人員が増えてしまうのです。
        9月16日   小山 香