生活再建法ー多重債務者の債務整理方法
6月30日の
水際作戦を乗り越える!!
した人から、受給が認められたとの連絡があった。
ところで、生活再建の方法のうち破産という言葉は、
「死刑」みたいな印象がある。
アメリカでは、最近は債権者更生法というそうだ。
私は、生活再建法、通称ルネサンス法としたらと思っている。
(ルネサンス Renaissance という語は「再生」(re- 再び + naissance
誕生)を意味するフランス語)
日本でも、近時いわば一部破産の法形式を個人再生と
呼び方を考慮した手法がある。
ところで、
多重債務者の債務は、下記の方法によって、整理される(
弁護士会のパンフレットより)。
以上のとおり、民事事件では、必ず人間は再生できる。
人間に多重債務が問題になったのは、無担保の消費者金融が
登場してからだ。
多重債務問題は、実は消費者金融問題、さらにヤミ金問題
である。
(なお、民事でも非免責債権といって、債務はなくならないものが
ある。しかしこの場合は、差押えの制限がある。)
したがって、民事では、人間の生存は法が保障しているのであ
る。
ところが、刑事事件では、矯正不能として、極刑がある。
矯正不能とは、更生ももちろん再生も不能ということだ。
国家が矯正不能を認めるのは、国家の敗北では
ないだろうか。
近時、刑事事件の厳罰化の傾向がある。
被害者のこころのケアは、厳罰化して、
極刑を課しても癒えるものではないのではないだろうか。
この場合おそらくヨーロッパでは、
矯正不能の人間をどうして作ったのか。
問うだろう。
本人は、何か障害がないか。
学校は、どのように対処してきたか。
学卒後は、行政はどのように・・・
こんなことを問うだろう。
仮に矯正不能だとしたら、
国家が責任を引き受けるだろう。
民事事件では、人間についてかならず、
更生(矯正)させる手法を作りながら、
刑事事件では、人間について、更生(矯正)手法を放棄して、
不能と宣言する。
死刑囚に関する書物から、
真に悔い改めて、いる人がいることを
たびたび知る。
相当以前に刑務官だった人が
法律相談に来たことがある。
死刑執行にも携わったといっていた。
その日は、仕事が終わったあとは
酒を飲み「いやなこと」を忘れることにつとめるそうだ。
国家は生命を大切にするという使命を受けながら、
その場合は、奪うのである。
戦場で、心身症になる人がいる
ように死刑を執行する人には
そうとうの心理負担だろう。
ところで、自衛隊は一度も人を殺していない。
憲法9条があるからだ。
国際紛争を解決する手段として
人を殺す手段を放棄したのである。
それでは、国内統治の方法として
人を殺さずにできるのではないだろうか。
目の前にいる、囚人がとても矯正不能とは思えないだろう。
法は進化する。
かならず、日本でも刑事事件に矯正不能ということがいつか
なくなるだろう。
そのためには、人間を支える、
ともに生きる法意識が必要である。