愚直に憲法28条の労働基本権を信じた人たち
労働組合を毛嫌いしている人がいる。
それは自由だ。
現在に日本の組合の組織率は20パーセントを割り込んでいる。
他方、フィンランドでは90パーセント以上の組織率だ。
憲法28条は、
好むと好まざるにかかわらず、基本的人権として
労働基本権を認めている。
労働組合は、資本主義では生理現象であるからである。
したがって、国家が労働組合を弾圧することは想定外である。
しかしながら、これが行われたのだ。
国家による不当労働行為だ。
昭和62年(1987年)から、路頭に迷わさせた組合員、
この23年間、どんな思いだったのか。
「終着駅のむこう~JR不採用24年目の“解決”」より
1987年、国鉄が分割民営化された。このとき7万人以上がJRへ移らず鉄道の
仕事を辞めたが、その過程で分割民営化反対を主張していた国労=国鉄労働
組合員を狙い撃ちにした解雇が行われ、JRは採用の門を閉ざした。その数
1,047人。特に経営基盤の弱い北海道と九州では、他の労組員がほぼ
全員採用される中、国労組合員のほぼ半数が不採用だった。
国労側は各地に闘争団を結成し「国労を排除するための
不当労働行為」であると訴えて法廷闘争を展開、
JRには不採用の責任がないとする判決が確定する一方で、
2005年以降は、不採用の責任は当時の国鉄にあると認め、
国鉄の債務を引き継いだ鉄道建設公団(現独立行政法人・
鉄道運輸支援機構)に不当労働行為があったとして
賠償金の支払いを命じる判決が相次いだ。
この間1,047人の組合員は、それぞれの地域で独力で
事業体を結成し生活費を捻出してきた。土木作業のアルバイトのほか、
和菓子や木工製品を作って全国を売って歩いた。
組合員の妻たちは「夫の鉄道復帰」を合言葉に全面的に支えてきた。
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国家(的不当労働行為)による労働組合の弾圧!!だ。
我が国からこうして強かった労働組合が国家を挙げて弱体化
させられた。
不幸で、悲しい出来事だ。
人生をかけた戦いだったろう。
国の政策に基づき弾圧に加担したJR?は
もうすぐ定年だが、鉄道マンとして最期を終えたい
人々を雇用してほしい。
こうした人々に対しいろいろな
意見があるだろう。
愚直に憲法28条の労働基本権を信じ
憲法の番人である最高裁を信じて
きた人たちであることは間違いがない。
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憲法12条前段
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。
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国家の不当労働行為に屈せず
ここまで耐え抜いた
ひとびと
それを支えた家族のひとたち
まさしく、憲法の自由・権利の保持義務の
ひとつであろう。
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