ある刑事事件の傍聴

刑事事件の傍聴に行ってきた。

住居侵入・窃盗被告事件である。

被告人席にA君はいた。

A君は私が傍聴席にいることは知らなかったろう。

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なんとか、更生させたいと思い、

できる限りのことをしてきた。

連絡がとれなくなり、

やっと警察にいることがわかった。

私が接見をしたとき、彼は否認をしていた。

そして,法律を勉強をしていると言っていた。

私は、叱った。

明らかに嘘とわかる弁解をしていたからだ。

法律の本ではなく、人間のこころを豊かに

する本を読むべきではないか、と諭した。

法律の知識を悪用してまた嘘を重ねることを

危惧したからだ。

正直に生きてほしいと訴えた。

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刑事弁護人は、被告人を自白させた。

また、示談の努力をさせたのも妥当である。

しかしながら、私は、なぜA君が犯罪を犯すようになったのか

その根本原因を知りたかった。

国選弁護人である以上やむを得ないのかも知れない。

しかしながら、刑事被告人はある種の被害者であるという

仮説がある。

A君がどのように育ってきたのか、それを知りたかった。

刑事弁護人、そして検察官もその解明は必要がないと

思ったのだろうか。

親はA君との関係を断絶している。

親子のこれまでの関係を明らかにしないかぎり、

A君に対する適切な矯正指導ができないと思うのだが・・・

友人、恩師、市の職員、保護司
いろいろな人がA君の更生を願った。
結局、いわゆる社会内での更生を自ら絶ったのである。

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