法教育の実践
先週、さいたま市のある小学校に法教育の実践に行ってきた。
この学校で法教育を行うのは、今年で5年目になる。
弁護士が今回は8名参加した。
私たちは、文字通り手弁当でやっている。
正確にいうならば、お昼は給食をご馳走になる。
これだけだ。
見方を変えれば、これだけの弁護士が参加する贅沢な授業といえるだろう。
私は、このような法教育実践の体験を重ね、将来は朝霞でもやりたいと思っている。
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3クラスを受け持った。
最初のクラスは
「いつも同じ人と遊んだり話をしたりしている。
沢山のクラスの子と話をする工夫はないだろうか。」
というテーマだった。
まず楽しいことを考えようと提案した。
話合いをした。
みんなが楽しいというドッチボールをしよう。
固いボールは、みんなが参加できないので
ボールは柔らかいボールでやる。
1チーム2名で抽選で組み合わせる。
これを繰り返すと、日頃話していない人とも親しくなれる。
とういうことになった。
次に、みんなで一緒の船に乗ったら、はからずしも人と話すことになることを
助言した。
じゃ、「ムラ」を作ろう!
「クニ」を作ることも検討した。
子どもたちは、「ムラ」がいいと言った。
今日の法教育のグループごとにそれぞれ「ムラ」を作る。
村長と副村長を決めて一緒に行動をする。
仲良くなってきたら、これをバラして抽選で新しい「ムラ」を作る。
これを繰り返せば、いろいろな人と話すことができる。
話すときには最低限度のルールが必要、ということも話題になった。
男子と女子が話していると「茶化す」ものがいる。⇒これを禁止するというルールだ。
(コメント)
みんなで、抽選でムラを作り、交代して村長、副村長をやるそうだ。
上から目線で作られたいわば行政区画の班とは異なり、
ムラは人間の営みからできるものだといえる。
そう意味で、ムラを作るということは面白いかも知れない。
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次のクラスは
「あいさつや〇〇(注学校名)しぐさをもっと増やしたい。」
というものだった。
話合いの結果、あいさつは真心が入っていなければならない、
というある子どもの意見が共有された。
そこで、あいさつを強制せずにあいさつが盛んになる方法を考えた。
なぜ、あいさつをしない人がいるのか、考えてみた。
絶対にいやという人がいるかも知れないが、
あいさつすることが恥ずかしい人がいるかも知れないと助言した。
そこで、あいさつの練習をしたらどうかということになった。
また、ポストを作り、無記名で毎日あいさつした回数を紙に書いて投函する。
集計してある数値になったら、クラスでお祝いするということになった。
(コメント)
個人的には、あいさつのマニュアル化には消極的だ。
マクドナルドのあいさつは、どこも同じで感動しない。
しかしながら、最初はお茶の作法のように基本を身につけ、
その後はそれそれの子どもの個性であいさつの作法を
発展させることは妥当であると考えた。
あいさつするのが苦手な子どもにも、ロールプレインをして
コミュニケーション方法を身につけてもらいたい。
そして、それぞれの子どもが自らの意思であいさつを
具体してもらいたい。
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最後のクラスは
みんなが外で遊ぶようになるには
というものだ。
30分休みがあるそうだ。
教室が4階なので、往復に約10分弱かかる。
準備が必要だ。
そうすると15分の楽しい遊びがあるといい。
まず、「リレーが面白い」という。
最初は、早いもの順にわけるという意見があった。
私は、勝ち負けよりも参加することに意味があることを助言した。
そこで、早い人も遅い人はみんなバラバラで抽選することになった。
31人のクラスなので8,8,8,7に分ける。
7のところには、先生に入って貰う。
先生は体育が苦手のようなので,無理には入って貰わないという確認をした。
次に大縄飛びを検討した。
この場合は、16,15に分かれ、15に先生に入って貰う。
これらがうまくいったら、8人9脚に挑戦することも計画した。
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いろいろと楽しい法教育だった。
他のグループでは、トイレの悪臭について検討したようだ。
毎年、校長は教育委員会に上げるそうだが、ずっと改善されていない。
そこで、今度は子どもたちが市長あてに請願を出すことになった。
憲法の請願権を学び、請願法があることを知ったのだ。
請願を出しても、すぐには、トイレの改修は実現しないかも知れない。
後輩のために署名を集めるそうだ。
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子どもたちに私たちが理解して欲しいことを述べた。
多数決では決められないことがある。
人の気持ちは多数決では決められない。
いやがる人を無理に強制できない。
みんなが、賛成できる方法を考えることが大切である。
子どもたちからは、「言葉の思考が広がった」との感想があったという。
子どもたちも私たちも充実した法教育の実践だった。
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