市執行部の間違った「墓地経営許可条例」解釈

朝霞市墓地経営許可条例

第11条(設置場所の基準) 墓地等を設置する場所は、次に掲げる基準(小山注、距離制限)に適合するものでなければならない。ただし、公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと市長が認めるときは、第1号、第2号及び第4号の規定(小山注、距離制限)は、適用しない。

 

朝霞市の市長を含め執行部は、朝霞市墓地経営許可条例を間違った解釈している。6月5日の総括質疑では、次のように回答していた。

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⑴設置場所の基準について、現在の条例では「焼骨のみを埋蔵するとき」は、100メートル離れていなくても、設置場所の基準については認められ、許可をすることになる。

すなわち、

現行条例は、次の基準に(公共施設等から100メートル以上離れていること)適合するものでなければならないとしているが、但し書がある。但しがないと市長が認めるときは、適用しない。

但し書について、事務処理要領では、公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認められるときは、次に定めるものでなくてはならないとし、(公共施設等から100メートル以上離れていること)は、「焼骨のみを埋蔵するとき」は、100メートル以内であっても、現在の条例ではすべて設置場所の基準については認められ、許可すると回答した。

⑵設置場所の基準について、条例では市長の裁量権はないと回答している。

⑶市長も、朝霞市墓地経営許可条例は規制条例ではなく、許可条例だから、ある程度条件をクリアすれば、許可せざるを得ないと回答している。

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上記の⑴から⑶の解釈は誤りだ。

特に⑴について、大半の読者は理解をすることができないのではないか。私も理解できない。焼骨のみを埋蔵で、100メートル制限がなくなることが、なぜ、当然に「公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障」がクリアといえるのか、理由がどこにもない。どこにもないということは、間違った解釈をしているからだ。

順をおって、間違いを明らかにする。

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法律(墓地、埋葬等に関する法律)は次のように規定している。

第1条  この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

第10条  墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の 許可を受けなければならない。

上記のとおり「許可を受けなければならない」のであって、「・・・の場合には許可を与えなければならない」のではない。

市長は、許可をしないことができるのである。

行政の広範な裁量が法律では認められているのに、上記のとおり、朝霞市の執行部は、現行条例が広範な裁量権を与えていないと間違った解釈をしている。

この原因は、朝霞市の条例の重要な内容を事務処理要領に落したからである。事務処理要領内容が明確でなく、読む人の法律の理解度によっては、誤解を招致してしまうのである。

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朝霞市墓地経営許可事務処理要領の問題の字句は次のとおりである。

「公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認められるときは、次に定めるものでなくてはならない。」

執行部は、「次に定めものでなければならない」を「次のものである。」と勝手に決めつけているようだ。

執行部は勝手に決めつけ、法律が認めている広範な裁量権を間違って解釈で裁量権がないとしたのである。

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「次に定めものでなければならない」とは、「公衆衛生その他公共の福祉の見地」の前提の条件のことである。

執行部が誤った解釈をする原因は、本来条例に定める事項を事務処理要領に落して記載したからである。

自縄自縛であろうか。安易に事務処理要領に落して記載したため、不明瞭て事務処理要領に条例が巻き込まれて、文言上明確であった裁量権が解釈で飛んでしまったのである。

本来、事務処理要領を以下のとおり、条例を反映していれば問題が生じなかった。

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事務処理要領を次のとおり、条例上に引き上げた。赤い文字が事務処理要領である。

(設置場所の基準)

11条 墓地等を設置する場所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

(1) 河川から20メートル以上離れていること。

(2) 公園、学校、保育所、病院その他の公共施設及び住宅から100メートル以上離れていること。

(3) 飲料水を汚染するおそれのない場所であること。

(4) 墓地等を経営しようとする者(地方公共団体を除く。)が自ら所有する土地で、かつ、当該土地に関する所有権以外の権利が存しないこと。

(5) 敷地は、幅員が4メートル以上の道路に接していること。

ただし、「1に該当するものは、河川の改修等一定の災害防止措置がなされている等当該墓地等の永続性の確保が妨げられないとき、2に該当するものは、焼骨のみを埋蔵するとき、又は埋葬を行うときであって、周辺環境との調和が図れているとき、4に該当するものは、大規模災害等により墳墓が不足し墓地等の設置が困難なときであって、当該墓地の永続性の確保が妨げられないときであるとき、の各場合で公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと市長が認めるときは、適用しない。

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いかがであろうか。正しく事務処理要領を条例上に位置づけるならば、事務処理要領は公衆衛生その他公共の福祉の前提条件があることは理解できる。したがって、市長は、朝霞市墓地経営許可条例は許可条例だから、規制条例であって、ある程度条件をクリアしても許可をしないことができるのである。

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