ある接見
私は被疑者段階から国選弁護を引き受けている。
事後強盗で逮捕され、窃盗と暴行で起訴されている。
被害品は、コンビニの清涼飲料水僅か130円である。
家族が身元引受をすれば、起訴されないかもしれない事案である。
全くの無一文だという。
但し、5月に土木作業員として仕事をしたとがあり、その給料がある。
なんとかして欲しいと頼まれた。
会社の名前も覚えていない。
ゼンリンの地図を接見室に持ち込み、示しながら、やっと会社が特定できた。
会社に請求をして、会社から現金書留が届いたので、差し入れをした。
一日8000円
10日間稼動した。
それからそれから、宿泊代、食事代などを引くと
1万数千円が送られてきた。
公共工事の土木作業員の報酬の基準は
一日2万円前後ではなかったか。
仮にそうだとすると相当にピンはねされている。
いずれにしても、その問題と刑事問題とは直接関係がない。
接見して、こんなことを話した。
僅か130円で逮捕・勾留、そして刑務所は、みんな割に合わない。
簡単に仕事をやめないで欲しい。
簡単に泥棒をしないで欲しい。
正直に生きていれば、一時でも福祉の世話になることができる。
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