ずさんな事故報告書ー死体検案書の検討なし
委員の現場検証ー報告書よりー
死体検案書書式
平成26年4月、わくわくドームで死亡事故が起きた。さらに同年9月、敬老会が中止された。2つの事件の対処により、朝霞市の危機管理の危うさが露呈した。このままでよいのだろうか。
平成26年4月22日、わくわくドーム(朝霞市健康増進センター)のリハビリプールで死亡事故が起きた。このリハビリプールは、届出をした障がい者の方が利用できる。リハビリプールと名乗ってはいるが、ハンディのある障がい者が事故に遭わないよう、万全の体制があったのだろうか。あってはならない悲しい事故である。
にもかかわらず、事故に関する報告書では、死体検案書が検討されていない。公営の施設で起きた事故であるのに、死因について調査した死体検案書を入手しようとしないのは、手抜き対応と言わざるを得ない。朝霞市は死因を「溺死」だというが、「溺死」というだけでは、事故原因の解明とならない。不幸な事故が今後に生かされない。監視員の監視義務の問題なのか、救命に問題があったのか、設備のどこかの問題なのか、原因が不明なままである。原因を特定できないのに業務改善ができるのだろうか。
健康増進センターわくわくドームは、「厚生労働省認定の健康増進施設」の要件は満たしておらず、必ずしも身体の不自由な人に適した施設とは言い難い。健康増進センターと名乗る以上、障がい者等が利用することを予定する厚生労働省認定の健康増進施設の標準的なモデルに準じて運営すべきである。監視員だけでなく、保健師も常時配置し、きちんと事故を想定した対応をすべきである。
なお、わくわくドームは、26年度だけで、2度もレジオネラ菌の発生により営業が中止された。26年度は、和光市のスポーツジム「ザバス」を運営している明治スポーツプラザが、わくわくドームの指定管理を引き継いだばかりであった。市民の健康と安全に対する危機管理に問題があるのではないだろうか。朝霞市にも指導・監督の責任がある。