いのちきり(力一杯 愛知県瀬戸地方の方言)
Posted on 2015年5月3日 by 小山 香
(昨年8月瀬戸の実家)
郷里愛知県瀬戸市で一人暮らしをしていた母が昨年暮れ、検査入院した。
(本人は知らないが)医師から「余命数カ月、治療法はない」と言われ、退院を求められた。しかし夜間の訪問介護がないので、自宅に帰せないという。
ならば、母の最期の人生は朝霞で終えて欲しい、孫に囲まれた騒々しい生活、朝霞の森、黒目川の桜など、最期の親孝行がしたい、私はそう思った。
師走の文字通り慌ただしい中、自宅に母の部屋を作り、ケアマネジャーとの相談など、受入れの準備をしたが、迎えいった日に母親は急に容態が悪くなり、移動できなくなった。
母は1月1日が誕生日であった。急いで子どもたちを病室に呼んだ。子どもたちが楽器を演奏し、最後に皆でハッピーバースデイの歌を歌った。
「96歳おめでとう」皆で声をかけたところ、
「よう生きてきたなあ」と、か細い声ながら満足げな返事。
小5の11歳のとき父を亡くし、以後明日はどうなるか、不安の日々だった。
しかし、母の存在に支えられた。
・・・
数日後、天命を全うした。