主権者教育(5)ーおわりにー

第4 おわりに
これまで、政治は教育現場でタブーとされてきた。しかしながら、選挙年齢の18歳の引き下げにより状況が変わった。政治は教育現場で正規なものと扱われることになった。しかしながら、実は、小さな社会の学級活動そのものが、政治なのである。これからはより強い理由により、どんな問題も話し合いのテーマにすることができる。校則も取り上げられるだろう。学校教育で主権者教育を実践するのであれば、子どもたちの身近な疑問、問題を一つずつ取り上げ、その解決の指針として「個人の尊厳に基づく共生社会の実現」をめざすべきである。
これまでの法教育、主権者教育では、模擬や練習をさせることが授業の一つになっており、リアリティな現実感に欠けている。これでよいのだろうか。
子どもたちが毎日生活している学級、学校は、模擬でも練習でもない。現実の生きた小さな社会である。ひとりひとりの子どもは個人として尊重され、共に生きる社会の一員である。弁護士は市民や子どもに寄り添う在野の法律家である。市民や子どもと手を携えて対話と傾聴による合意形成をめざし、個人の尊厳に基づく共生社会の実現をめざして行くべきだ。
学級活動、児童会・生徒会活動での主権者教育により、子どもたちに社会は変えられるという意識が形成されれば、若者の政治に対する関心は大きくなるだろう。
小さな社会の主権者教育の実践が、やがて大きな社会の改革に寄与することになることを期待する。