憲法記念講演会
憲法記念講演会
5月3日東京大学大教室での全国憲法研究会主催の憲法記念講演会に出かけた。
・西谷修氏の「終末論的西洋と21世紀の戦争」
・愛敬浩二氏の「『表現の不自由展・その後」のその後
西谷氏の講演は、近現代の世界史を巨視的に見るものであった。予定の時間では終わらない大きなテーマのお話である。
明治憲法とか、富国強兵とか、その後の日本国憲法の成立とかガテンがいくお話である。日本国憲法の先進性に納得した。
愛敬浩二氏のお話も「目からうろこ」であった。
芸術の自由の保障と民主主義の言論の自由とはリンクしている点をさまざまな例を上げてのお話である。
余談の中で、ピカソのゲルニカが素晴らしいのは、ピカソがあって、その次にゲルニカであるから、多くの人は、「感動」をするのではないか。ピカソ抜きにゲルニカの感動はないのではないかとのお話は面白い。
大教室は聴衆で埋まっていた。若い学生さんも沢山いた。ものの見方の多面性が深まり、満足した午後のひとときであった。
ネットで他の問題を検索していたら、次の記事が出てきた。
丁度西谷修氏のお話と同じ脈絡であるので、引用したい。
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江田五月ー新たな出発
2000/11/28 憲法改正問題と「保・革」
長いあいだ、政治勢力を保守・革新という分け方をしてきていた。最近では必ずしもこの分け方でいいきれない情勢ではある。
「保守」は憲法改正を、「革新」は憲法改正反対を主張してきていた。私は、この言葉の矛盾をおかしいと思い続けていた。変えるほうが「保守」であり、守るほうが「革新」というのはどうしてそうなのだろうかという疑問であった。
この疑問に単純に応えてくれたのが日本の民法を体系化した民法の権威我妻栄先生でした。私がまだ学生時代に聴いた憲法記念講演会での話でした。単純なことです。憲法は世界の憲法をリードする未来を先取りしたものである。だから古い体質にこだわり守り続けたいたいという人は改正を唱え、新しい未来をみつめている人々は進んでいる(現状よりすすんでいる)憲法を守ろうとするからだということでした。そうなんです。単純なことでした。
加藤周一さんも憲法調査会で日本の憲法の先進性に触れられています。脅威を作らない外交こそが平和を守り、武力による威嚇によって平和が訪れた歴史はなく、「正義の闘い」は常に言い訳でしかすぎないことを主張されています。日本の良心とも言われている人の冷静な発言です。憲法問題が冷静に語られ、まだ若い憲法を着実に私たちの肉にしていく論議が必要です。