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父子手当条例制定の請願採択

6月20日は私にとって一生の思い出になるかも知れません。

現在の朝霞市議会において、父子手当条例創設の請願の採択は画期的なことだったからです。

 3月の予算審議の際、これまで、薄々知っていたのですが、児童扶養手当には、父子家庭に対し支給されないことを再認識しました。

 普通の人権感覚として、同じ経済状態にありながら、父親と言うだけで毎月約4万~1万円の児童扶養手当が支給されないことは、不合理であると考えます。

 インターネットで、調査したところ、このことについて、疑問に持ち、父子手当条例を制定している自治体があることを知りました。そこで、意を強くして、予算審議の際、この点を質問したところ、「検討していきたい」との回答を得たのです。しかしながら、検討するというのは、何もしないということの同義であるとも考えられるので、何とか早期に朝霞市に父子家庭条例の創設の実現を図りたいと考えました。

 そこで、各自治体の条例を研究し、議員提出条例として、議会の議決を求めたいと思ったものの、朝霞市議会では、議員が共同して条例を作るという先例もないようで、私一人が突出しても問題があると考えました。

 そこで、助言に従い、まずは、請願の形で市議会に提出し、請願の採択を得る手段を選択した。
 ちょうど近所に父子家庭の親子がお住まいなので、請願の提出を得ることが出来ました。本来、私が請願の紹介議員になるべきであるが、請願を審査する民政常任委員会の委員であるので、紹介議員になれなれませんでした。
当初、この請願は、誰の反対もなく通るものと思っていた。

 他方、仮に請願が通らない場合、児童扶養手当法に問題があり、こうした父子手当条例の必要性が生まれてくるのものなので、児童扶養手当法の改正の意見書を市議会に提出し、これは、全会一致で当然に通るものと高をくくっていました。

 議員提出議案は、代表者会議に諮り、全員一致の場合は、本会議での手続きを簡略化し、そうでない場合は、正式な議案として提出することになります。代表者会議では、大きな会派は、保留ということで、これすらも否決になることを危惧しました。
 議案として出す場合は、賛同者2名が必要なところ、同じ無所属議員2名が気持ちよく賛同してくれました。こうして、最終日が迫り、採決を予想していたところ、法改正の意見書については、議長の斡旋があったのか、突然全会派同意ということになりました。おそらく、議長としても、児童扶養手当に欠陥があることは、明らかであり、大きな会派が、これを否決するのは、市民から相当の批判を受けることを心配して、説得されたものと推測しました。

 最終日の20日、残る問題は、請願の採択でした。

大きな会派の反対討論は
「お父さんは、経済的に困難になってもがんばりなさい。また、全国でわずか、9くらいしかこの種の条例はないから、今、作る必要はない。」
というものでしたが、賛成討論は、
「近時のワーキングプアの問題があり、父子手当は必要である。さらには、この問題は、法律の欠陥を補うもので、経済的に困窮しているならば、母子家庭、父子家庭を区別することなく、一人親子として、平等に支給すべきである。あさかしないに、支給対象世帯は、12世帯と予想され、年間予算は、400万円余りである。」
というものです。

 裁決が行われ、当初の危惧を払拭し、13対10で採択されました。
補足するならば、朝霞の良心が示された請願の採択であると考えます。
同日、全員一致で議決された「法律改正の意見書」は、政府に提出されることになり、将来、法律が改正された場合、今回の出来事がその一石になっているとするならば、大変良いことをしたと内心自負しています。
2008年6月 24日小山 香