住民票ができた。

今日はアッシー君をした。

60代のAさんの失踪宣告の取消をした。急いで、戸籍の復活させたいと願い、てきぱきと仕事をした。昨年の末に失踪宣告の取消の審判が出て、今日確定した。

Aは電話もなく、足が悪い。タクシーを呼ぶことも一人で市役所にいくこともできない。

そこで私の事務所がアッシ君を行ったのである。

Aさんは、住民票がなく、国民健康保険にも加入していない。

Aさんは、繰り返しなんども保険証が欲しいといっていた。これまでは保険証がないので、病院にはいけなかったといっていた。

午後の遅い時間、Aさんのアパートのドアを叩いた。
「裁判所から書類をもらいました。住民票を作りに行きましょう。」

と呼びかけると奥から現れた。

Aさんに車に乗ってもらい、市役所まで一緒にいった。

住民票と国民健康保険証が手に入ることになった。

朝霞市の住民が本日一人増えたことになった。

これからは、市役所がAさんを支えてくれる。

市役所からAさんを車に乗せて帰るとき、何か大きなことをなし遂げたような達成感があった。

落とし物が届けられた。

先日朝、事務所に出かけようとしたら、いつも腰につけるポシェットがない。
前日の夜の、事務所から自宅に帰る途中の足どりの記憶を辿る。

交番に行ってみた。届け出はないとること。

そこで落とし物の届け出をした。

現金、運転免許証、カード、それに弁護士の身分証明書が入っていた。
弁護士バッチはあるので、裁判所とか警察には入れるが、

身分証明書がないと、いろいろな手続きができなくなる。

翌日、とりあえず、大急ぎで大宮の運転免許センターにいって、免許証の再交付を受けた。

事務所に戻り、まず、銀行のカードの紛失と再交付の手続きをした。

次にクレジットカードの紛失と再交付をするために連絡先などがわからず、もたもたしていると、電話が掛かってきた。

着信番号の末尾が0110だった。事務員が電話を受けていた。

刑事事件も終わり、被告人からの接見の希望もないはずだ、

でも、誰が接見の希望なのか、と頭を巡らし、事務員の応答に耳をそばだてる。

「朝霞警察のなんとか、なんとか・・・」

なんと私が落としたポシェットが警察に届けられたとの連絡である。

お金も入っているのに、出てきた。

このとき、以前弁護した事件を思い出していた。

弁護士に成り立てのころ、刑事弁護をしたことのある人から接見の連絡があった。

私は、刑事被告人には、刑事弁護は1回しかしないといっており、どんな用事なのか思案して接見室に入った。

本人から真顔で質問された。

「先生、すいません。教えて下さい。ここに100万円が落ちているとしたら、先生はどうしますか。」

「私は、交番に届ける」

「なぜですか。私は届けない」

「落とした人は、顔を青くして探しているのではないか。」

本当にこの本人には、目の前にお金があり、誰もみていないときは、自分のものにする考えについて悩んでいるようだった。

 

今回、私のものを拾われた人は、落とした人(私)が顔を青くしていることを想像してくれたのであろうか。

落としたものが出てくる、現金も入っているのに。

警察署を出るとき、拾って頂いた人そして、この社会の健全な明るさを胸で感じ、じんとした。

 

 

対話力の再生

新年早々、離婚相談があった。

妻側のからじっくり聞いた。

まだ離婚に至る問題ではなく、夫に問題があるようだ。

夫婦の中の対話力を回復する必要がある。

こうした場合、誰かが夫の言い分を聞いて「あなたの家庭はあなた次第です」と夫を諭せば、解決する問題と思うことがある。

しかし、人間関係が希薄になり、仲裁に入る人がいないのが問題である。

家庭裁判所の調停は、簡単な手続きといっても、数カ月先であり、それなりの時間と手続きが必要である。その手続き中に夫婦がさらに険悪な関係になることもある。

こんなとき、自治体に夫婦関係相談窓口があり、速やかにカウンセラー資格のあるものが中立性を保ちながら、中に入って解決するという制度があれば、いいと思う。

(消費者問題なんか、こんな形で解決している。)

私はこの種の修復可能性の相談の最後にこう締めくくる。

「離婚はいつでもできる。結婚は、せっかくの縁です。」

あるマンションの売却

Tさんのマンションが売れた。

夏前に複雑な相談ごとがあった。
独居高齢者で身寄りがない。
歩行が困難で道端で頻繁に倒れていたことがあり、
近所の人がみるにみかねて、警察とか、市役所に連絡をした。
巡りに巡って、私のところに相談がきた。
本人は病院に緊急搬送をされていた。

病院で面談をした。
相当具合が悪い状態だった。

自宅を訪問すると、大変な騒ぎになっていた。
健康を害する状況である。
独居で病気になったら、やむを得ない状況である。

何回も関係者がありまり、ミーティングをした。
住宅ローンが滞納、入院先の医療費、今後の生活費
今後の生活等

それから、さまざまな検討と対策を行って、
やっと、近隣市の有料老人ホームに入居ができた。

課題は、マンションの売却である。
仲介業者からは、リホームをしてから売りに出すことをすすめた。

しかし、リホームにお金をかけて、マンションが所定の値段で売れなければ、
住宅ローンの返済が困難になる。

そこで、事務所で、断捨離、ごみ捨て、清掃等の一切を仕切った。
マンションは、見違えるほどになった。
これで相当な経費の節約になった。

マンションを売りに出したら、直ぐに買い手がついた。
(もう少し高値で売りに出せばよかったかとの思いもあるが、)
売買差益があり、住宅ローン、税金も延滞税を含め完済した。

本人は、この間の入院で健康を幾分回復した。
売買の差益を元に、施設での生活の目処はついた。

マンション売買の決済の前に、マンションを訪れ、室内を確認し、玄関のドアを締めた。

なかにし礼さん、ありがとうございました。

なかにし礼さんがお亡くなりになった。
私には、2014年(平成26年)8月の弁護士会の企画の講演会が、ます思い浮かびます。
埼玉会館の会場は人があふれ、ロービーのテレビでも大勢の人が会場の様子をみていました。
自作の詩を朗読されました。

平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう
2014年7月1日火曜日
集団的自衛権が閣議決定された
この日 日本の誇るべき
たった一つの宝物
平和憲法は粉砕された
つまり君たち若者もまた
圧殺されたのである
こんな憲法違反にたいして
最高裁はなんの文句も言わない
かくして君たちの日本は
その長い歴史の中の
どんな時代よりも禍々(まがまが)しい
暗黒時代へともどっていく
そしてまたあの
醜悪と愚劣 残酷と恐怖の
戦争が始まるだろう
ああ、若き友たちよ!
巨大な歯車がひとたびぐらっと
回りはじめたら最後
君もその中に巻き込まれる
いやがおうでも巻き込まれる
しかし君に戦う理由などあるのか
国のため? 大義のため?
そんなもののために
君は銃で人を狙えるのか
君は銃剣で人を刺せるのか
君は人々の上に爆弾を落とせるのか
若き友たちよ!
君は戦場に行ってはならない
なぜなら君は戦争にむいてないからだ
世界史上類例のない
六十九年間も平和がつづいた
理想の国に生まれたんだもの
平和しか知らないんだ
平和の申し子なんだ
平和こそが君の故郷であり
生活であり存在理由なんだ
平和ぼけ? なんとでも言わしておけ
戦争なんか真っ平ごめんだ
人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない
たとえ国家といえども
俺の人生にかまわないでくれ
俺は臆病なんだ
俺は弱虫なんだ
卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない
しかし俺は平和が好きなんだ
それのどこが悪い?
弱くあることも
勇気のいることなんだぜ
そう言って胸をはれば
なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか
怖(おそ)れるものはなにもない
愛する平和の申し子たちよ
この世に生まれ出た時
君は命の歓喜の産声をあげた
君の命よりも大切なものはない
生き抜かなければならない
死んではならない
が 殺してもいけない
だから今こそ!
もっともか弱きものとして
産声をあげる赤児のように
泣きながら抵抗を始めよう
泣きながら抵抗をしつづけるのだ
泣くことを一生やめてはならない
平和のために!
・・・・・・・