法教育の実践ー「個人の尊厳」と「共生社会の実現」を考える
昨日、中学校の講演会に出かけた。
3月は多忙な時期であるが、子どもたちに人権意識の醸成に少しでも役に立つならば、期待に答えるべきと考えての午後のひとときだった。
この講演に大変に興味をもって頂き、保護者、さらには教育長、教育委員も来ていただいた。
これまでの法教育は、子どもたちから出される
課題解決のテーマを子どもと一緒に考えてきた。
私たちの法教育は、「ワークショップ」で子どもと対話をしながら
行ってきた。
今回は、全校生徒が対象なので、私の方からの人権の入門といって、
「『個人の尊厳』と『共生社会の実現』を考える」
テーマでの講演だ。
私は日弁連の憲法委員会の委員である。憲法伝道師の「伊藤真」弁護士も同委員会の委員である。
先日の会議で伊藤弁護士から人権=human rights の「s」のことを教わった。
それを今回の講演会に使わせて貰った。
つまり、人権の語源に当たる英語では、「人間 正しさ 複数」
そんなニュウアンスがあるのである。
人権は、常に複数の人間の中で存在し、共生社会をめざすものである。
そんな内容を子どもたちに話した。
最後は、いつも話している次の言葉で締めくくった。
わが国は、多くの国民、そして近隣諸国の人々の犠牲のうえに、平和主義を国の基本指針にしました。
憲法第9条に「わが国は、国際紛争を解決する手段としては永久に戦争を放棄する」とあります。
言い換えるならば、対話と傾聴を通じて「紛争は平和的に話し合いで解決する」ことにしたのです。
話し合いでの解決の究極が「平和主義」です。 わが国が到達した、世界に誇れる大原則だと思います。
まずは、みなさんが、学級・学校という小さな社会で生じる課題について話し合いで解決する、
つまり平和的に交渉して解決する方法を身に付けてほしいと思います。
そして将来、みなさんが家庭や地域社会に貢献し、
その究極としてわが国の国際貢献の一翼を担って国際平和の実現に寄与してくれることを願っています。
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下記は国際統計でかある。
15歳の子どもたちの国際統計である。
「孤独を感じる」
日本の29・8%
オランダ2・9%
子どもたちの個人の尊厳を認め、その上で一人一人の個人の尊厳を認める共生社会を実現したい。