• 最新記事

  • 「人権の風」新聞

    PDFで表示されます。

    第2号
    「子ども置き去り 35人学級ができない」他
    (2021/1)

    第1号
    「癒着・忖度を生む市長の5選 いいのか?朝霞市のため 刷新しよう」他
    (2021/1)

  • 記事一覧

    プロフィール
    小山の法律家・市民としての活動経歴をお知らせします
    まちづくり構想
    すべての人を置き去りにしない、しあわせ中心社会のまちに生きる
    日々思うこと
    小山が日々の生活・仕事の中で感じたことを自由につづっています。下記カテゴリー別にお読みください。
    憲法
    貧困と人権
    教育
    平和と共生
    議員活動
    その他
    メディア掲載情報
    新聞、雑誌等の記事に掲載された活動を紹介します
    法教育
    法教育についてのページ一覧です
    議会発言録
    朝霞市議会・担当委員会での小山の発言の一覧です
    ご連絡先
    小山へのご意見、お問い合わせ等の宛先です
  • カレンダー

    2021年11月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
  • アーカイブ

夜間中学

夜間中学
少年事件の審判が終わった。ずいぶん少年と対話した。
「あなたには、自由がある。非行に走る自由も、幸せになる自由もある。あなたは、どの自由を選びますか。」
少年は、中学になって、急に勉強が難しくなり、その他の家庭の事情も重なり不登校になった。
やっと入った定時制高校に進学してもまったく授業について行くことができず、1学期で中退したという。
鑑別所の心理テストでは、知能は平均以上の優れているものだった。私は、しきりに高校の進学をすすめた。しかし、余程勉強は苦手なのか、
「通学は困難です。通信教育に行きます。」
こんな対話だった。
審判を迎える前に少年に大事なことを伝えるのを忘れていた。
(念のために、休日面会の予約をしていた。)
週末で、人気のないひっそりとした環境で最後の対話をした。
作文を書いて貰った。被害者のこと、家族のこと、仕事のこと、将来のことなど
間違った漢字は辞書ももっていたので訂正させた。
改めて少年に話した。
「君の世界はこんな小さな円だ。
その円の外に、埼玉、関東、日本がある。世界には200あまりの国がある。不良仲間から脱却してもっともっと大きな世界をみて欲しい。」
最後に夜間中学のことを話した。
「中学で不登校になった人も、夜間中学でもう一度勉強をしたいと学んでいる」と説明した。
少年は、いつものとおり、うなづいていた。
私は少年と面会の都度、父親には連絡をしていた。
夜間中学のことも話した。興味を示してくれた。
審判で裁判官が父親に今後のことについて質問した。
父親は、「仕事をどうするとかの問題以前に妻と相談したことだが、夜間中学に行かせ、そのあと高校に行かせたい」と答えていた。
少年は審判後、父親のもとに戻った。少年と父親に挨拶をして別れた。
事務所に戻り、夜間中学の資料を送った。