高知新聞社説「【集団的自衛権】戦争の口実 重い負の歴史 」
朝日新聞今朝(平成26年6月18日)の第1面の写真だ。
ネットに高知新聞の社説があった。わかりやすく、本質をついた主張だ。
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2014年06月12日08時08分
日本は本当に戦争をする国になるのか――。
安倍首相が執念を燃やす集団的自衛権の行使容認に関し、自民、公明の与党協議が緊迫化してきた。
日本と密接な関係にある国が武力攻撃された際、日本が直接攻撃されていなくても、その国のために実力を行使する。これが集団的自衛権だ。
しかしそれは憲法9条が許容する専守防衛の範囲を超える。だから行使できない。歴代政権が積み重ねてきたこの見解を、安倍政権は覆そうとする。しかも憲法改正によらず、憲法の解釈を見直すという手法で。
それは平和憲法の根幹の9条を死文化させる行為にほかならない。
なぜ今、集団的自衛権なのか。安倍首相は訴える。
「日本を取り巻く安全保障環境は一層悪化している。もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない」
「各国と協力を深めることで抑止力が高まり、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなる」
集団的自衛権は世界の共通認識であり、「転ばぬ先のつえ」に例える自民党幹部もいる。本当にそうか。
確かに国連憲章は加盟国への武力攻撃が起きた場合、集団的自衛権を認めている。だがそれは安全保障理事会が必要な措置をとるまでの、過渡的な措置にすぎない。
一方で同憲章は、国際関係において武力による威嚇や武力の行使は慎まなければならないとする。本筋は日本国憲法と同じ平和主義にあることを忘れるわけにはいかない。
集団的自衛権の危険性は行使の「実例」を見ればよく分かる。米国のベトナム戦争や旧ソ連によるアフガニスタン侵攻など、大国が中小国支援を名目に内戦へ軍事介入するケースが大半だ。戦争の「口実」として乱用されてきた負の歴史は重い。
イラク戦争は大量破壊兵器を隠し持っているという誤った情報に基づいて始まった。日本が同様の大義なき戦争に巻き込まれることはない、と誰が断言できるだろう。
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