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総務大臣に対する不服申立 郵便認証司の認証拒否事件

郵便局で内容証明郵便の内容証明としての認証を拒否された事件があった。

私は次の形式で内容証明郵便を書いている。

通知書

前略 当職は〇〇〇の代理人である。

(略)

平成〇年〇月〇日

埼玉県〇〇市〇〇町〇-〇-〇

通知人 山田太郎

埼玉県朝霞市仲町2-2-38-805

電話048-465-0125

上記代理人弁護士小山香  印

東京都〇〇区〇〇町〇-〇-〇

株式会社〇〇御中

・・・・・・

郵便局の内容証明を認証するものは「認証司」というみなし公務員である。

ある郵便局の認証司は,上記の書面は差出人が2名あるように読める。

したがって,末尾に

差出人 埼玉県朝霞市仲町2-2-38-805小山香 

を付記しないと認証しないといって,内容証明を拒絶した。

時効の援用の内容証明郵便を出す必要があるので,その日はやむなく差出人を付記した。

郵便約款があり,こんな風に書いてある。

文章の内容から差出人が誰かわかる場合は,差出人の記載を省略できる。

私の内容証明郵便の差出人は,(通知人山田太郎代理人弁護士)小山香である。

山田太郎を特定するために山田太郎の住所を記載している。

さらに私の小山香の記名の横に押印をしている。

記名+押印=署名とみなされている。

上記の文章の作成者は小山香であり,差出人であることは明白である。

明白な事実であるにもかかわらず内容証明郵便の認証を拒絶するのである。

行政処分に対しては,不服申立することができるはずだ。

しかしながら,認証司の内容証明郵便の認証について,不服申立の制度がない。

そうすると,現在民間企業になった郵便局の一職員の判断が郵便約款の有権解釈となってしまう。

みなし公務員でも国民全体の奉仕者である。

このような事態を改善するための方策を模索し,

以下のとおり認証司の任命権者である総務大臣に対し不服申立書を作成した。

1  認証司の内容証明郵便の拒絶処分の取り消し

2 総務大臣に対し,認証司に対する罷免権の行使を求める

3 認証司に対する不服申し立て制度の創設を求める

・・・・・

この不服申立書を持参して3月20日総務省に行った。

職員に不服申立書を見せた。職員は,これを見ながら

(郵便課の職員)

要望ですか。

(小山)

認証司の内容証明郵便の拒絶処分の取り消しに対する不服申立です。

(郵便課の職員)

そんな制度あるんですか。

(小山)

行政不服審査法を準用して下さい。

・・・・・

その他法令で総務大臣が認証司を罷免の根拠を指摘した。

郵便課の職員は,不服申立書はとりあえず預かるといって,受け取った。

法の支配の国だ。

不服申立書には,法令上の根拠を示してある。その究極の根拠は憲法31条だ。

〔第31条〕
何人も法律の定める手続きによらなければその生命若しくは自由を奪われ又はその他の刑罰を科せられない。

この規定は適正手続条項というもので現在では行政手続にも適用がある。

当初,書類を受け取ってくれるか心配だったところ,ひとまず受け取ってもらえた。

前向きな回答を期待している。

[解説]

法律の明文には,内容証明郵便に関する不服申立の方法がない。

制定法は完璧ではない。隙間がある。それを法の欠缺(ほうのけんけつ)という。

私も法律家の端くれである。法の支配の一翼を担っている。郵政民営化によって,内容証明を扱うものは認証司というみなし公務員となった。その公務員の処分に対し不服申立制度がないのは,不合理である。法律がなくても,法を発見するのが,在野法曹の役割と思っている。

スイス民法1条(1907)は,〈適用しうる法条がない場合には慣習法により,慣習法もない場合には,もし裁判官が立法者であったならば定立するであろう原則に従って裁判すべし〉と規定し,法の欠缺を認めている(ネットのコトバンクより)。