主文懲役〇月、執行猶予〇年
起訴状朗読、冒頭陳述、検察官立証、弁護人立証、情状証人、被告人質問、論告、弁論の上、結審後直ちにに判決が出た。
主文懲役〇月、執行猶予〇年
一つの刑事事件が終わった。
留置されている警察署は遠いところにある。
被告人は20代の若者だ。
何回か接見に行った。
接見するのは、半日仕事だった。
厳しく接した。
どうして、何回も悪いことをするのか。
-気が弱いからです。
あなたは、悪いことをそれほど悪いと思わなってしまっている。どうしてか。
-(沈黙)
清原はなぜ、覚醒剤をやるのか。
-気が弱いからでは。
悪い仲間とつきあっているからだ。あなたも悪い仲間とつきあっているから、悪いことを悪いと思わなくなっている。
-たしかにそうです。
あなたが、まともな人間になるためには、悪い連中を断ち切れるか。
-断ち切るようにします。
父親が情状証人に立ってくれた。判決後、直ちに釈放された。
・・・・・・
これでもう、私はこの被告人と会うこともないだろう。
私なりに一生懸命、接見の場で説諭した。
幸せは他人の犠牲の上ではなく、自分の努力で掴んで貰いたい。
こんなことを幾度となく話した。
私は先に裁判所を後にした。
父親とどんな話をして帰宅したのだろうか。
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