対話ーある被告人
ある被告人と4~5回接見をしている。
薬物事犯である。
直近では年末は30日に新年は4日に接見をした。
刑事弁護の、特に自白事件の情状弁護は、被告人に対する同人の自己肯定もしくは承認からはじまるのではないか、考えている。
道は二つ分かれていたはずだ。犯罪に至る道、そうでばない道。なぜ、あなたは、これまで犯罪に至る道を選択したのか、その問いを問い続けた。
だれもが、「もう、悪いことはしません」といいます。
そのような言葉では、私は納得しないのです。
あなたが、犯罪によって、得たもの、失ったもの。
これからの人生において、何を目標とするのか。
そんな問いを投げかけている。
ある被告人が回答をする。
これに対し、あなたは自分を第1に考えて来なかったか。
多くの人たちは、家族ときに子どもを第1に考えている。
ある被告人に言った。
私は、あなたの家族でもない、保護司でもない。単なる刑事弁護人である。刑事弁護が終われば、無関係な人間になる。私の願いとしては、これまでの犯罪で失った家族の絆を少しでも回復することを目標にしてはどうか。
先日、手紙がきた。
私が衣服を差し入れたお礼と、これからの目標と、そして今後の更生の過程を手紙を送るので受取って欲しいと、そしてどんな判決になても刑に服したいというもだ。
もうすぐ、公判がある。そしてある被告人との対話は終わる。
気がついてみると、私は一対一の法教育を行っていたような気がした。
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