定年解雇事件の解決

年末に60歳になったからといって、いきなり定年解雇された人の相談があった。

当初、労働審判事件として処理をしようと考えた。

年末だから、年内に解決したいので,労働仮処分を提起した。

争点は、就業規則の周知性である。

今日、裁判があった。
淡々と双方が言い分を述べて、次回期日が来年の1月下旬ころに指定された。

裁判が、終わりかけた。

私は、今日で解決できる予定でいたので、

裁判官に話し合いをしないのですかと和解を促した。

そこで、和解の骨子を提案し、裁判官が相手の弁護士に

伝え、相手の回答に対して、再提案をしてまとまった。

裁判官が後で、気にかけずにすいませんとかいっていた。

結果的に実質、裁判官のような役割だった。

守秘義務条項があるので詳しい内容は控えるが、

当初の予定どおり、年内の解決ができでよかった。

会社の方もこの機会に就業規則の周知の徹底をしてもらいたい。

 

 

主文 懲役○年、未決○日算入、この裁判の確定の日から○年間執行を猶予する。

裁判所 法廷 イラスト素材 [ 962763 ] - フォトライブラリー photolibrary

被告人が法廷に入ってきた。傍聴席最前列にいる母親をちらっと見た様子だった。

被告人席で腰紐とか手錠を解かれた。

(私は法廷での手錠姿は、人権侵害であると思っている。)

裁判官が入ってきた。法廷は、検察官も書記官もそして裁判官も女性である。

上記の判決だった。

直ちに釈放された。

母親の顔には少し涙顔になっていた。

「先生、よく聞き取れなかったのですが」

「判決は懲役3年、ただし4年間わるいことをしなければ、この判決を取り消す」というものです。

母親の脇にいた被告人に向かって

「あなたは、今何歳ですか。○歳まで、人一倍注意して生活をして下さい。」

私は、二人で寄り添って、裁判所の階段を降りて行く姿を黙って見送った。

今年の2月から、10ケ月にわたる事件だった。

私はきっと更生をしてくれると信じている。

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彼は自由になった。今、彼は自由のすばらしさを実感しただろう。

でも、自由はこわい面もある。不幸になる自由もある。

 

 

わずか、4万円余りの示談成立

私は、自動車損害保険の弁護士特約の仕事をしている。

私がこの仕事をしていて、消費者には大変便利な保険と思う。

今回の自己は物損自己で100対ゼロである。修理代金が4万円余り。

この程度の被害事件は、往々にして加害者は払ってくれない。

被害者は4万円だと泣き寝入りすることが多い。

しかし、弁護士特約がついていると、私のような弁護士が

委任をうけて弁護をする。

何回電話をしても、何のつぶて、手紙を書いても返事がない。

相手の名刺をもらっているので、会社に電話をかけることはできる。

しかし、これは最後の手段としている。

相手にも名誉もあることだ。弁護士から電話があると、電話を取り次ぐ人は

びっくりするだろう。なお、私は1回目は弁護士とは名乗らない。

「朝霞の小山です」と名乗る。

 

電話をする前に、先日、先方の自宅まで、置き手紙をするために出かけた。

午後の時間であるが、仕事が夕方なのか、奥から本人が玄関まで出てきた。

玄関先で示談交渉が成立した。

 

 

失踪宣告の取り消し

先日、10年以上前に、失踪宣告をした身内が生存していたとの相談があった。

遠くの身内の方と、本人が事務所にみえた。

本人は、60代前半の人で、約20年も遠くの実家とは連絡もとらず、音信不通にしてきた。

2ケ月前に旅行にでた。郷里に向かう、フェーリー船みに行くことにした。

その途中、倒れて救急車で病院に運ばれ、緊急入院した。

保険証がないことから、病院から朝霞市役所経由で、市役所が郷里の実家に連絡をつけてくれたとのことだった。

本人は、まさか自分が失踪宣告をされていることは知らなかった。

 

私は、家庭裁判所での調査官と本人とのやりとりを横で聞いていた。

両親の死に立ち会えなかったことに涙をされ、郷里の身内がきちんと後をとっていることに感謝していた。

本人は、この朝霞で今後も暮らしたいといっている。

 

早晩、抹消された戸籍は復活する。

これまで、図書館にいっても、本を借りることもできなかったが、これからは借りられる。

 

本人は、裁判所からの車の中で「私はひとの善意とかやさしさで助けれた。道で倒れて救急車を呼んでくれた人、

市役所から、郷里に電話をしてくれた人に感謝をしたい」といっていた。

 

 

被告人質問をやってきた。

ときどき、市民の方から、弁護士がなんで悪い人を弁護するのか、質問を受ける。

最近私はこのように答えている。

・人間には、両面性がある。全くのおかしな人でない限り、いい点とわるい点がある。

・検事は公益の代表として、悪い点を強調する。

・弁護士は、いい点を強調する。

裁判官は、双方の意見を聞いて事件の全体像がわかる。

さらに、弁護士として私は、被告人との対話を通じて、「自己肯定感」を高める試みをする。

接見を通じて、事件を離れて対話する。

今回接見した被告人は、10ケ月以上、勾留されている。

大変なことであると思う。

他の共犯者は、家族の支援かなんかで保釈で出ている。

私は、この事実を自己肯定に結びつけたいと提案した。

長期間の勾留は、拘禁ノイローゼとか、心身にわるい影響が

ある。

そこで、私は、問いかけた。

「君は、これに打ち勝っている。

その精神力があれば、きっと更生できる。」

先日の被告人質問では、

この点を強調し、被告人も堂々と更生する意欲を述べていた。

判決は年内には出る。

なお、最後の接見の際に述べた。

「どんな判決になるか、わからない。」

私が携わった方々が、自分を肯定して生きていって欲しいと思う。