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朝霞市,墓地条例(100m制限)守らずー内規(事務処理要領)であなたの家のとなりも市内のどこでも墓地OK

朝霞市の墓地条例に反して、特別養護老人ホーム内間木苑の正面、及び民家3軒に隣接した墓地造成計画が進行している。地元では3割以上の人が反対し、約1000名の反対署名が市に提出されているにもかかわらず、市は計画を許可する意向である。

 

墓地プログ用

法的拘束力のない内規で制限外す

朝霞市は平成21年3月、住宅地等から直線で100m以上離すという制限付で墓地造成を許可する条例を制定した(以下「本件条例」という。現在内間木地区で進行している墓地計画は、100m以内に老人ホームと3軒の住宅があるため、本件条例では本来、実現できないはずである。ところが、朝霞市は、本件条例制定後に事務処理要領、いわゆる内規を作って本件条例における距離制限を外した。
その結果、平成25年9月、A宗教法人が左図に示す内間木地区の墓地造成計画を朝霞市に提出し、事前協議の手続きが進んでしまった。その後の住民説明会で3割以上の住民が反対し、約1000名の反対署名を市に提出したが、計画は見直されなかった。

制限を外す必要性(立法事実)なし

同じ頃、市内の他の地区でも同様の墓地計画事前協議の申請があり、市はようやく政策の誤りに気がついた。そこで、平成26年6月議会で本件条例を改正し、続いて同年8月に内規の距離制限を削除した。

許可しなければならないと誤解

墓地の経営許可の根拠たる墓地埋葬法では「正当かつ合理的な理由があれば、許可をしないことができる」としている。しかしながら、市長はこれを理解しようとせず、本件条例改正前にA宗教法人と事前協議をしてきた以上、本件条例は「許可条例」だから、他の要件が満たされれば、許可しなければならないと誤解している。朝霞市は、誤った政策によって地域住民を犠牲にし、宗教法人に利益を与えようとしている。

「公共の福祉」を度外視

私は、墓地の問題について、昨年6月、9月、12月、及び今年3月の各議会において朝霞市の墓地行政の誤りを質してきた。その結果以下のことが判明した。
前述した墓地埋葬法は、「公衆衛生」と「公共の福祉」を要件としている。このうち「公衆衛生」の問題は、焼骨での埋葬が普及した今日では検討不要といえる。残るは「公共の福祉」の問題であるが、朝霞市は焼骨したものを埋葬することで「公共の福祉」の問題も解決できると誤認し、内規で墓地の距離制限を外した。結果、市内のどこでも、言うならば、あなたの家の隣にも墓地造成を許可するとしたのである。

違法性の認識の欠如

私は、内規で本件条例の距離制限を外すのは、違法であり無効だと考え、平成26年9月議会で問いただした。質問に対し市の幹部は、「内規に立法事実はない」「法的拘束力がないことは顧問弁護士に問い合わせるまで知らなかった」と答弁した。法律以前の問題として、「市内のどこでも墓地OK。議会にかけずに内規で距離制限を外してもよい。」という状況について職員、ひいては市長も疑問を持たなかったのだろうか。

法制執務能力不足

そもそも、墓地経営に関する事業は、元々埼玉県が行っていたものを、朝霞市が権限を委譲されたものであるが、朝霞市は行政法規に関する知識がないまま県の実施要領を流用しようとし、解釈を誤った。
朝霞市には、法令を理解し、条例、規則、要綱などを作り執行する能力、すなわち法制執務能力が不足していると言わざるを得ない。これでは朝霞市は地方分権の担い手になれない。